スマトラ沖大地震について。

greenhouse2005-01-07


スマトラ沖大地震の被害は死者17万人とも言われ、酸鼻を極めています。17万人が自然の驚異で死に至ったのです。ときに自然は途轍もない破壊力を駆使し、人間を嘲笑うかのように、大暴れします。人間はそれに対抗し得る力を持っていません。ただ自然の猛威が収まるのを待つのみです。私は無神論者ですが、神を信じている人たちは、どう思っているのでしょう。神なんているわけがなく、それは己の、または人間が生きていくうえでの指針となるべく、人間が造り上げたものでしかありません。都合のいい存在なのです。



愚かな人間に鉄槌を下したとか、世紀末の前触れだとか、現代のノアの箱舟だとか言い出す人たちもきっといるかと思います。そんなわけがない。単なる自然現象でしかない。そこに意思などはない。



自然現象によって殺された人たちは怒りや悲しみを誰にぶつければいいのかがわからない。これが戦争ならその対象をつくりあげることは容易です。だが戦争の死者は17万人どころの騒ぎではありません。人種と思想、そして権力という抽象的な存在がある限り、戦争は無くならないでしょう。



さて、今回の悲惨な災害のニュースをあらゆる媒体から得ていましたが、その中で信じられないニュースを耳にしました。災害の悲惨さ、二次災害の恐れ、死者や怪我人の数、各国の支援金、ボランティアの活躍、など、こういう災害につきもののニュースが大勢を占める中、被災地で子供や女性に対する暴力、レイプなどの事件が起こっているというのです。真実なのかはわかりません。しかしありうる事だと思います。戦争やこういう災害などの異常事態では、人間は今まで被っていた仮面を取り去り、本能のままの獣と化すのでしょう。もっと信じられないことがありました。それは人身売買組織の暗躍です。逃げ場を失くし、住家を失くし、家族をも失った哀れな子供たちやか弱き女性たちをさらって、どこかに売り飛ばすというのです。これは仮面をはぎ、獣と化した人間たちより、もっと性質が悪い。そこには冷静な人間としての利益計算があるからです。ただでさえ悲惨な状態にある人間たちを食い物にする、もはや人間とは言えないでしょう。



この世から戦争や犯罪は決してなくならないでしょう。では我々は何をすればいいか。信じるしかありませんね。人間とは愚かさと素晴らしさを持ち合わせた生物です。確かにそれらはなくなることはない。だけど、地球上に人類が誕生してから、何万年もの間に、確かに人類は進歩してきたと言えます。無法地帯から、集落を作り、決まりごとを作り、国を作り、文明を作り、そして民主主義を作った。



今回だって無償のボランティアや、災害見舞金は要求される前に供与されました。そういう姿を私たちは信じるしかないと思います。



さて明日から3連休です。私たちは休みですが、被災者たちは眠る暇もないのです。