バスとお経

greenhouse2004-12-10

今日もバスでの出来事について書こうかと思います。私は毎朝決まったバスに乗ります。乗客も大体同じ顔ぶれです。その中に変わった中年の女性がいるのです。その女性は私と同じ停留所から乗ります。バスを待っている間、タバコを悠々とふかしています。背は150センチくらいでしょうか。顔は進化の過程で違う道をたどったオランウータンにそっくりです。下あごが発達し、唇は故いかりや長介に似ています。南方系の派手な色彩のゆったりとした服を着ています。まあこれだけでも十分怪しいのですが、バスの中での彼女の行動はもっと怪しいのです。

バスが来ると、自然にできた行列を無視し、われ先へと強引に乗り込みます。そして、ダッシュで空いてる席へと向かいます。まあここまではよくある話です。それから、夏であろうが冬であろうが、必ず上部の窓を開けるのです。夏は冷房が逃げ、冬は暖房が逃げます。バスの温度を人の欲する温度とは逆の方へと調整するのです。

極めつけは、バスに乗って10分くらいたった頃に発生するあるイベントです。彼女はいきなり低音のくぐもった声でお経を唱え始めるのです。隣に人がいようが、バスが信号待ちで停車して、アイドリングをやめるため、エンジンを切り、車内が居心地の悪い静寂に包まれても、それは続きます。「南無妙法連華経」まではわかるのですが、その後何を言ってるのかはわかりません。とにかく数珠を手にぶつぶつと一心不乱に唱え続けるのです。私はいつものことだと、気にしないのですが、初めてその現場に出くわした人は、驚きます。一斉に彼女のほうを見るのですが、彼女はいたって平気で、マイペースでお経をあげ続けるのです。私はバスの中で本を読んでいるので、最初はうるさいなと思っていました。だけど最近はこのおばさんのお経のおかげで無事バスが走っているのだと思い込むようにしました。

しかし何でバスの中で? 自宅ではできないのだろうか? この時間じゃないと駄目なのだろうか? イスラム教じゃあるまいし、そんなことはないと思うのですが。まあ色んな人がいるものです。