引越しの日パート4.

greenhouse2004-10-18

東京最後の日。国立の桜並木の下で友人たちと花見をしました。私の引越しをいつも手伝ってくれていた親友たちとです。話は自然と思い出話へと変わっていきます。懐かしい日々の思い出が、映像とともに次から次へとスライドショーのように浮かんは消えていきます。時間が迫ってきました。まだ飲み足りないなとつぶやき、私は重い腰を上げ立ち上がりました。いつもふざけてばかりいた私たちは、似合わない神妙な顔つきを維持することはできませんでした。「じゃあな」私たちは普段どおりの別れの挨拶を交わしました。そして背を返し、その場を去ったのです。

私は夜行列車で帰郷することにし、東京発の「さくら」に乗り込みました。発車のベルが鳴り響き、ドアが閉まります。ゆっくりと列車は動き始め、車窓から都会のネオンが尾を引いて流れていくのが見えます。20年近く暮らした東京ともお別れです。「さらば東京!おおわが青春!」東京生活に別れを告げ、故郷に帰ることを決心した中原中也の真似をして、心の中でつぶやきました。ナンチテ。
続くかも・・・。